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Table Lamp (Trial production)

スウェーデン Karlskrona Lampfabrik のNight Lamp(小型ランプ)が美しいのですが、入手困難—とりわけ高額なわけではなく市場に物が無い—なので、ならば仕方ない、『無いなら造れば良いじゃない』という事で普段の作業の気分転換にボチボチ進めていたりします。

大きくバランスを崩す組み合わせではないですが、ちょっと基部が小さいかな
光源直下が暗くなりがちなので、半球ドーム形状は良いデザインだと思います。

主要部材がほぼ揃ったので、下加工して仮組みしてみます。
フレームはありませんので重量的にも一番となるボディ=オイルポット=油壺が、デザイン面でも最大の核になります。
多くのランプ・ランタンで同じ事が言えますが、「灯台下暗し」の通り光源直下が暗くなりがちなので、周囲に反射する半球ドーム形状は秀逸なデザイン選択だと思います。
今回はステンレスを使用していますが、バーナーの色との兼ね合いもありますので、出来れば真鍮か銅で造るか、或いはクロームメッキのバーナーを組み合わせたいところであります。
近くにヘラ絞りの工場があると相談出来るのですが、残念ながら無いんですね。ま、少量でも量産、製品化するような需要があるなら、それから考えましょう。(捕らぬ狸のなんとやら、ですから)

さて、参考にしたランプはGaudard#6 巻芯バーナーを使用しているようです。
Night Lamp の名称からも大光量を必要としてはいないのでしょうが、今回ナイトランプではなくテーブルランプとしてある程度の光量を確保したいので、デザインをスポイルせず、また重量的に問題の出ないだろう寸法バランスを考慮し、仏Gaudard社の大型#14バーナーを選択してみました。
写真を撮って客観的に見ると、少々基部が小さいかも知れません。
 ちなみに下部径は135mmあります。
オイル容量は充分なので無駄に大きくしたくはないのですが、造形的にもう少し下部に重心が欲しいです。径よりも縦方向に15mmほど伸ばせたらイイ感じになりそうですが、、、

ところで構成部品の、特にガラスチムニーやバーナーは見て分かる通り藤江の製作ではなく市販部材です。
バーナーなど頑張れば造る事も出来そうですが、少なくともGaudard社のこの形状は、造るより購入する方がコスト的に遙かに有利です。
切り出しだけならCNCフライス等でも効率よく行えますが、型抜き~成型~圧着などのプレス加工も多用されており、結構な手間が掛かっています。
単品で30~45€、国内で4,000~5,000円台と一見すると高価ですが、部品点数や工程、仕上がりの精度、総合品質など考えれば妥当な金額に感じますので、現状、少なくとも巻芯バーナーに関しては自家製作の余地はないカモです。

円筒形の炎をつくる巻芯バーナーは、周囲全体を綺麗に照らすことが出来ますが、光量そのものは平芯のおよそ半分と言われています。それを考慮すると、#6では広げた芯の幅が35mmとなっていますので、平芯の17mm相当となります。
下記引用元から推測すると、#6は およそ10w電球程度の明るさでしょうか。

巻き芯バーナーとは平芯(きしめんのような形状)の幅の広い芯を筒状にして円筒の芯ガイドに巻き込んで使用するバーナーです。
このバーナーの場合燃焼効率が平芯より悪くなりますので、平芯の芯幅に比べて芯の幅の半分ほどの明るさになります。また燃費も悪くなります。
巻き芯16分芯(48mm)は平芯8分芯(24mm)と同等の明るさになります。

江戸川屋ランプ https://www.edogawaya.com/mame.htm

今回はGaudard #14バーナーを選択してみました。
#14は芯のサイズが65mmですので、20w電球程度にはなるのではないかと期待してます。
残るはハンドルの造形と、各パーツの組み付け(ロウ付け)、磨きとなります。
空き時間に進めていますので仕上りは5月の連休明けと思いますが、なるべく早く点灯して確認したいところです。

#14バーナー でかい!(写真の歪みはご容赦を)

という事でまだいつ完成するとも分からない試作の段階ですが、製品化に関してご要望その他ご座いましたらお声かけ下さい。

ここ数年、何かの影響なのか、灯油=ケロシン(オイル)ランタンが比較的若い世代のキャンプ愛好者・キャンパーに流行りらしく、DIETZ(米)やFeuerhand(独)などの加圧式ではない小型オイルランタン=いわゆる「ハリケーンランタン」が人気で、入荷即品切れの状況が続いていると聞きます。もともと定価が3,000円~4,000円台なので、購入しやすいこともあるのだと思いますが、時に唖然とするほどの高額で取引されているようです。
正直なところ、1/2インチ(12mm、4分)幅の平芯ランプなんて茶の間のナツメ球(常夜灯)くらいですので、物の位置や形は判別出来ますが、調理などにはかなり厳しく別途光量の有る灯火が必要になると思います。
もちろん分かっていて使う分には問題ないですね。雰囲気も良いですし。
焚き火中心で、調理と言う程のこともない野趣料理と言いますかナイフの出番のない料理に、その焚き火がそのまま主照明で、ランタン灯火はテント内など補助照明等という場合には、むしろこの程度の暗い物が良いでしょう。

でもやはり現行通常商品が5,000円どころか10,000円超える価格なんて間違ってますね。
そんな価格付けの業者から購入するのは考え物です。
現在は、コロナウィルス関連の影響による生産拠点の混乱や物流の滞りなど、諸事情で需要過多な面もありますが、落ち着けば元の3,000円台に戻るはずです。
国内に導入されていない型番やヴィンテージ、コレクターズアイテムなどで無い限り、正常に出回るまで待った方がいいと思います。
どうしても待てないという方で、希望がFeurhand 276などでしたら、むしろドイツの業者から直接購入しても国内標準価格+送料と大差なかったりします。

でまあ、そんな流行りを受けてかテーブルランプ(家庭用オイル・ランプ)も人気が出ているようですが、ただ残念なことに、キャンプ用品からの流れの為か、金属ボディ(油壺)のテーブルランプだからなのか、それらもキャンプ用と勘違いされている方もいるようです。
「ハリケーンランタン」は風を考慮した作りになっていますが、オイルランプはあくまで家庭用としてフレームなど固定機構やガード類がなく、消灯時にはグラスチムニーの上から息を吹き込んで消すようなランプですから、やはりアウトドアには向いてないと思います。
(お洒落感優先で考えると確かに良いかもしれないですね。滅茶苦茶「○○○○映え」しそうなキャンプ写真が撮れそうではあります。)

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