謎解き? 『今晩屋』 その六
早くももう春のお彼岸ですよ。
「前生から見ればこの此岸も彼岸」、の彼岸です。
いやそれにしてもどうにも、季節の変わり目は仕事も忙しいし、色々ときついし・・・
中島みゆき嬢の、"夜会VOL.15~夜物語~「元祖・今晩屋」"
今作は森鴎外の「安寿と厨子王(「山椒大夫」 [青空文庫])」を下に、全曲書き下ろしにて、独特の世界観、死生観、そして「転生」を求め、織り上げられた絵巻のようです。
創った当人曰く、「物語は単純明快」(パンフレットより)なのですが、表面上はストレートな主張であり、単純な見せ方の一方で、とかく難解と言われがちな「夜会」に於いて、特に今回は理解しようとすれば更に答えが遠のくような、複雑な造りとなっていました。
赤坂 "BLITZ Tower Atrium" エントランス by D700
一見、その水面は穏やかに流れているように見えますが、水底を探ろうとすればそこには複雑に渦を巻く流れがあり、容易には辿り着けない深みを見いだすことが出来ます。
単純明快でもあり、難解なあやとりのようでもあり。
流れ落ちる飛沫は幾様にも色を転じ、姿を変え、轟きながら、囁きながら。
そして
終盤、それぞれの物語は一気に目指す場所へと流れます。
▽ 第2幕 後編 ▽