2009.07.22に発売される鬼束ちひろの「帰り路をなくして」UMCK-5243
このプロモーションビデオが、7月1日昼、CDに先駆けて公開されました。
「帰り路をなくして」PV You Tube公式チャンネルで先行解禁 | INFORMATION | 鬼束ちひろ official homepage
2009年07月01日
「帰り路をなくして」PV You Tube公式チャンネルで先行解禁
You Tube ユニバーサル・ミュージック 公式チャンネル
「楽曲の世界感を映像化した監督は映画、PV、CFなど、多方面で活躍する映像作家・柿本ケンサク氏。」とのこと。
デビュー以来これまで、そして先月6月に発売された「X」同様、やはり独特の世界があります。
昨年の「蛍」は、まるでその光景が目の前で展開するようなドラマチックな曲でしたが、今年の2作品はやや抽象的、ともすれば聴き手の理解を挑発するような曲です。
難しい言葉を並べ連ねているわけでは無いのですが、彼女の彷徨う世界が簡単には見えて来ない事に戸惑いも感じます。
描き出すその光景が、「私」(彼女の場合は「あたし」)なのか「あなた」なのか、或いはもっと大きな視点なのか、1コーラス目ではここが掴めないせいか、漠然とした、しかも荒涼とした世界を目にしている気がします。
しかし「光と闇を貫く、究極のバラード」などとオフィシャルサイトに書かれてもいますが、戸惑いは、遠く光を求める薄暗がりの中より、やがて耳に残るメロディは胸に広がり、彼女の世界を映し出します。
繰り返し聞く毎に情景が目に浮かぶようになり、次第に良い曲だと感じますが、その終盤へ向けての緩やかな展開が、ストレートな表現の好まれる現在では評価の分かれるところかも知れません。
映像を見ての印象は、ちょっとふくよかになったかな?などというのが序盤。
衣装はドレスとワンピース、どちらも白。
むしろ昨年の「蛍」PVでの姿は頬骨が浮くほどでしたから、これくらいのほうが女性らしく、美しい。(もちろん主観です)
しかしながら、優しく見つめる目は、やがて斬りつけるような視線を放ちます。
画面の向こうから後頭葉へと突き抜け、喉を貫き、胸を抉るような視線。
挑み掛かるような、救いを求めるような・・・
オフィシャルサイトのトップページでも見ることが出来ますが(2009年7月1日現在)、ジャケットになった写真の彼女の目は、燃えるように、そして血が滲んだように、赤く染まっています。