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2006年04月07日

上弦の月

  [photo]

4月7日14:05 月齢8.8

 Nikon D200 + RF500mmF8 + NikonCapture
DSC_1496.jpg

 薄雲を透かして朧に姿を覗かせた真昼の月は
 異郷へと誘うかの如く 東の空で霞を纏い
 現と 幻の 境を滲ませる

 もし世界中の誰ひとりとして今日の姿を知らず
 振り仰ぎもせず 気にも留めなかったとしても
 しかし紛うことなく 月は ある

 天に梯を架け その消え入りそうな影を掴み
 渡せずに捨てた幾百の紙縒を矢柄とし
 忘れ去ろうとした想いの矢羽根を貼る

 思いの丈を番えて放った心は 誰に届くだろうか
 独りぼっちではないと
 まだ信じても 良いのだろうか

私は時折、全てを諦め、信じることすら止めてしまいそうになるけれど、
諦めず信じ続ける人の願いが届くようにと、祈ってみたくなる事だってある。

もしや心に重い荷を抱えてしまったのではないかと、気にかかりもするけれど、
だとしても私には力になれる言葉など、見つからない。
それでもなお余計だと知りながら、お節介を焼いてみようとするのは、
人との関わりを捨てきれずにいるから、かも知れない。

こんな私でも、他人が笑顔でいるのを見れば、決して悪くは思わない。
それくらいはまだ私にも、許されるのではないだろうか。

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2006年04月07日 17:43に投稿されたエントリーのページです。

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