4月7日14:05 月齢8.8
Nikon D200 + RF500mmF8 + NikonCapture
薄雲を透かして朧に姿を覗かせた真昼の月は
異郷へと誘うかの如く 東の空で霞を纏い
現と 幻の 境を滲ませる
もし世界中の誰ひとりとして今日の姿を知らず
振り仰ぎもせず 気にも留めなかったとしても
しかし紛うことなく 月は ある
天に梯を架け その消え入りそうな影を掴み
渡せずに捨てた幾百の紙縒を矢柄とし
忘れ去ろうとした想いの矢羽根を貼る
思いの丈を番えて放った心は 誰に届くだろうか
独りぼっちではないと
まだ信じても 良いのだろうか
私は時折、全てを諦め、信じることすら止めてしまいそうになるけれど、
諦めず信じ続ける人の願いが届くようにと、祈ってみたくなる事だってある。
もしや心に重い荷を抱えてしまったのではないかと、気にかかりもするけれど、
だとしても私には力になれる言葉など、見つからない。
それでもなお余計だと知りながら、お節介を焼いてみようとするのは、
人との関わりを捨てきれずにいるから、かも知れない。
こんな私でも、他人が笑顔でいるのを見れば、決して悪くは思わない。
それくらいはまだ私にも、許されるのではないだろうか。