雪が解けて 鳥が騒ぎ 水が温み 芽が膨らんで 風が吹いて、、、
消えてしまったように思えていた者達が皆、元のように戻ろうとしている。
彼らは皆、眠っていただけだから。
眠りにつくことで凍てついた冬をしのぎ、凍える昼と夜とをやり過ごす。
ねえ、彼岸では花が咲き乱れていますか。
湿った春の雪の上に、足跡を残して歩く楽しみはありますか。
キミの好きだったお父さんはまた、病院に戻ってしまいました。
まだ暫くはキミを訪ねては行かないだろうけれど、万が一顔を出したら
思い切り怖い顔で吠えて、追い返してあげて下さい。
いろんな管だらけで、キミの好きなオヤツは持って行けないから。
頼んだよ。
冬を待つ季節が来ようとしているけれど、
眠れない僕はまだ、冬が恋しい。