近頃は「理系」とか「技術者」というキーワードで見るニュースが、やけにドロドロしていて正直ウンザリです・・・とか、ひと言書いておこうかと思ったら、ぶっ飛び系のニュースです。
株式会社ニコン(社長:嶋村 輝郎)の子会社、ニコンカメラ販売株式会社(社長:西岡 隆男)は、1957(昭和32)年に発売され、国産の距離計連動式レンジファインダーカメラの最高峰、伝説の銘機といわれたもうアレですね、お馬鹿すぎて涙が出ます。 大好きですよ、こんなメーカーが。「ニコン SP」
を、2,500台限定で生産し国内のみで発売します。
(略)
● 発売概要
商品名 「ニコン SP 復刻モデル」
生産台数 2,500台
Nikon D2xの発売日が2月25日と正式に決まったとのことなので、カメラ店にカタログをもらいに行ったんですけどね、そしたらカウンターの上にバラばらっと置いてあるじゃないですか、復刻版SPのカタログが・・・思わず「あ~!」って声が出てしまいましたよ。
確かに風の噂には聞いていたんですが、まさかこの時期にやるとは正直驚きです。
D2xは暫くは手に入らないだろうから、D70→F6→D2xてな具合でどうかな?などと思っていたのに、ここに来て伝説のSP、憧れのSPですよ。
無理だなあ、、、出して出せない金額ではないけれど、日本の生産技術を世界にとどろかせた逸品だけど、税込724,500円はなあ、、、どうあがいてもちょっと先行き不安だなあ。
それでも決して高いワケではないのでしょうね。
そして数年を経て、生産の実働段階においてはS3復刻作業に携わった技術者を可能な限り集め、各自が持ち場ごとに一つ一つ丹念な作業を施し、次の物に手渡してゆくという往年のカメラ作りの流れを再現したのです。
カタログにもありましたが、何だか涙が出そうな一文です。
新たに設計図を起こし、金型も作り直して、ですから、おそらく儲けは度外視しているかのようです。
でも、SP作ってしまったら、「次は"F"」という声が必ず出る筈ですが、まさかそこまでやるんでしょうかねえ、、、やってくれたらそれはそれでまた、嬉しい悲鳴が上がるんですけど、それにしても「SP」・・・
買えないだろうなあ、、、というか「買わない」と言っておかないとアブナイもんなあ。
それにしてもこのブッ飛び方がまた大好きな理由なのですけれども、まあ、こういった社風に変化のない限りは、私は死ぬまでNikonから離れられないのでしょうね。
産業における資産というものを金で持つか、人や生産設備などの資源で持つか、又は技術(ノウハウ)の継承と考えるか、これからの製造業は正念場かも知れません。
特許なんて期限を待たずして新しいものに置き換えられてしまいますからね、どうせ特許をとるのなら、IBMのようなカッコイイ使い方をしてもらいたいです。
2005年1月12日(NikonやIBMみたいにとは敢えて言いませんが)会社も、技術者も、もっと格好良くなりませんか? 「理系」を目指す人が少ないのは、その評価の問題ではなくて、「格好悪いから」かも知れませんよ。<ご参考資料>
イノベーションとオープン・スタンダードを支援するために、
IBMがオープン・ソースに対して500件の特許提供を公約
― IBMの米国特許取得件数が「12年連続首位」を達成 ―[米国ニューヨーク州アーモンク 2005年1月11日(現地時間)発]