ASIN: B00069BN7E 113分 リニアPCM/ドルビーデジタル(5.1ch)NAKAJIMA MIYUKI OFFICIAL SITEDVD 夜会VOL.13『24時着 0時発』ヤマハミュージックコミュニケーションズ(YCBW-10002/ 7,350円 税込み) 2004年1月3日から28日までBunkamuraシアターコクーンで行われた、夜会VOL.13「24時着 0時発」の模様を収録。
構成・演出/作詞作曲 中島みゆき
思い入れのない方にはただ奇妙な舞台に過ぎないかも知れませんが、私は待っていました。
とかく「難解」と言われがちな『夜会』も、今回はとても分かりやすいものになっています。
全ての「夜会」を(生で)観たわけではないけれど、最高作と言っていいかも知れません。
1月の舞台から11ヶ月、本当に待ち望んでいた日がようやく来ました。
HMV Japanにて11月14日予約、12月14日配送到着。
当然ですが生の舞台よりは落ちます。
音響、照明、視覚効果、、、いくらハイビジョン撮影とは言え、全て舞台通りというのは無理です。
胸を締め付けられるような"帰れない者たちへ"も、圧倒的な"命のリレー"も、画面から伝わるのは7-8割程度です。
幻想的で耽美だった"月夜同舟"も、画面からはあの幽玄な様は伝え切れていません。
しかし、夜会独特の世界は十分に堪能出来ます。
久し振りに歌われた"二隻の舟"は、これまでの同曲が全てこの瞬間の為に支度されたのかも知れないと思える程に圧巻です。
20. 帰れない者たちへ
21. 月夜同舟
22. 命のリレー
23. サーモンダンス
24. 二隻の舟
この流れはvol.4『金環蝕』のクライマックスに匹敵する程で、しかもラストで披露された"サーモンダンス"は(当然ながら)"アマテラス"を超えています。
この"サーモンダンス"が一体何からモチーフ得たのか、非常に気になる所です。
三代目魚武濱田成夫[www.sandaimeuotakehamadashigeo.com]により、舞台上での言葉の持つ力は、vol.5『花の色は うつりにけりないたづらに 我が身世にふる ながめせし間に』の、「時間泥棒」の名台詞と並ぶ力強いものです。
お馴染みの香坂千晶とは安定して息の合った絡みを見せてくれます。
『夜会』に於いてこの人の一番の"はまり役"は、vo.10『海嘯』でのニューハーフにして二代目組長"タマちゃん"ですが、今回の"かげ"と"あかり"も、さすがは宝塚OG。
『夜会』がこの構成で続く限りは欠かせない存在です。
昨年、2003年の12月に突然精神状態がおかしくなってしまって、そんな状態の中、すがるような思いでコクーンへ観に行ったのでした。
先月11月は思いの外調子が良くて、心配していた12月になっても暖かな陽気のせいか、割と落ち着いております。
でもあの頃は本当に、いつ自殺してもおかしくない状態でした。
何をしても全て裏目に出るようで、一つ一つのトラブル全てが自分のミスのせいで、世の中の悪い事はみんな自分の責任みたいに思えてしまって、、、さっさと死んでしまおうかと。
本気でそんな事を思って、でもそういう事を考えている自分自身が怖くて、辛くて、しんどくて。
ならばいっそ、こんなに辛いなら死んでしまおうか、と。
死ぬ事が怖いから、早く死んでしまおうかと、本気で考えていました。
だから本当は、何かを期待していったわけでも無く、ただ、思い残す事など無い方が良いかも知れないと考えて、ありったけの気力を振り絞るように渋谷の坂を登ったのです。
横っ面を思い切り叩かれたというか、ぶちのめれたというか、、、押し寄せる言葉の波に、とにかく圧倒されました。
10mと離れていない目の前で「生きて泳げ」と歌われてた時には、そして短いながらも久し振りにコクーンで聴く"二隻の舟"に、真っ白になって泣いてしまいました。
もしかしたら声を上げて泣いていたかも知れませんが、幸いにも大音量に消されていた事と思います。
あれからです、少しずつながらも心のバランスが取り戻せるようになったのは。
結局この舞台、3回も観てしまったワケですけれど、それでもまだ物足りない思いが続いていました。
ようやくあの時に投げつけられた言葉に再会する事が出来ました。
あの時に私があった精神状態の全てを見透かされていたような、(もちろん準備はずっと前から始まっていたはずなので逆なのですが)偶然なのか必然なのか分かりませんが、良くもあの時にこんな内容のものに当たったものです。
おかげで私は最悪の事態にならずに済みました。
まだこれからどうなるか分かりませんが、ひとまずはこの1枚のDVDでまた踏み止まる事が出来そうです。
DVDのラストは"サーモンダンス"で締めくくられ、舞台では最後に「舞台挨拶に替えて」として披露された"命のリレー"がDVDには入っていません。
「舞台挨拶」だからDVD作品には必要ないという理由かも知れませんが・・・しかし詩の内容からすると、この2曲は一対と考えても良いものですから、少々腑に落ちない仕上げとも言えます。
黄色のドレスに着替え、朗読---アカペラ---伴奏付きで歌われたこの舞台挨拶は、この『夜会』のテーマを駄目押しするに相応しい、そしてとても重要な「舞台挨拶」だったのです。
それは私にとって、とても重要な1曲でしたから尚更に残念です。
しかし、こうして残る無念が未練になり、まだこの世にしがみつこうかという思いを出させるのなら、まだ自分の為に開かれている筈の『鎖錠』を、信じて藻掻き続ける価値があるのかも知れません。
コメント (4)
まだ届いてません...
Amazonで"歌姫 Live in L.A."といっしょに予約したため、まとめて配送になってました...
随時発送に変更して、到着待ちです。
「ニューハーフにして二代目組長"タマちゃん"」はシアターコクーンで観ましたよ!
でも夜会はちょっと遠いのと、チケット入手が難しいので全体としては半分も行けてません...
VHS,LD,DVDで一通り所持してますけど、映像物はなかなか落ち着いて観る時間が取れないですねぇ。
投稿者: Key | 2004年12月15日 08:55
日時: 2004年12月15日 08:55
LDは高嶺の花でしたから・・・Keyさんの元にもそろそろ届く頃でしょうね。
今回のDVDは混じり物が無くて良いですよ。(今までの物も作り直してもらいたいと思う位です)
但し、夜会の場合はコクーンという小屋には不釣り合いな程の大音量でぶちかましていますから、あの音響を再現しようとするとそれなりのシステムが必要かも知れません。
アンプとスピーカー、買おうかな。。。
投稿者: Fujie | 2004年12月16日 18:18
日時: 2004年12月16日 18:18
やっと週末に全部見ました。
私は、みゆきさんの作品は全て肯定しちゃうんですけど、確かに、混じり物が無いほうが入り込めますね。
一応YAMAMAの5.1chシステムがあるので、サラウンドを楽しみました。(ボーカルとしては、景品でいただいたONKYOのアンプ内蔵スピーカー(こちらは単純な2CH)の方が好みだったりしたので、ちょっと複雑な思い...(低音は出ませんけど))
実験的な試みであった夜会も完成の域に達しているという印象でした。(まだまだ、チャレンジは続くと思ってますけど。)
>そして短いながらも久し振りにコクーンで聴く"二隻の舟"
ほんと"二隻の舟"よかったです。
「舞台挨拶」も見たかったですねー。ちょっと残念!
投稿者: Key | 2004年12月20日 21:18
日時: 2004年12月20日 21:18
ご覧になりました?
あれでも収録日は抑え気味に歌っていたという話を聞いていましたけど、いいですよね、満足ですよ。
>私は、みゆきさんの作品は全て肯定しちゃうんですけど、
私も基本的には同じですよ。
ただ以前(今も?)に教育テレビでやっていたような舞台中継が案外好きだったりもしますので。
まあ私の場合には何故か「菩薩」扱いしてますけど。(笑)
>一応YAMAMAの5.1chシステム
あら、YAMAHAがお手頃みたいなので第1候補なんですけど。
(実は楽器もバイクもヤマハが好きだったりして)
投稿者: Fujie | 2004年12月21日 03:05
日時: 2004年12月21日 03:05