今更ながらの感もありますが、11月は興味深いニュースが色々とありました。
その中でもちょっと頭の隅に置いておかないとまずいかな、というのが「利用規約」をめぐるお話。
まず「7分で分かる11月のblog界」を30秒で読んでね。
11月はBlogサービスの在り方を問う出来事があり、大きく揺れた。表面化したサービス提供側とユーザー側との温度差は、今後のBlogにどのような影響を与えるのだろうか。ほかにも安定化への取り組み、ツール整備などさまざまな動きがあった。・・・とまあ、11月はそういう動きがあったわけです。
それでこの騒ぎの元となったLivedoorの方は、(一応)落ち着く所に落ち着いたようですね。
表向きはボタンの掛け違いというかサービス提供者側と利用者側の「温度差」という事ですが、一般の利用者ならともかく果たして企業サイドが「利用規約」という契約書の中身に関して、そんなに甘い発想で望んでいるものでしょうかね?
実際「電車男」なんてのが相当売れたらしいですから、腹の内は分かりませんよ。
何れにしても企業としては非常に信頼を失う格好ですが、まあ、あの会社だから・・・というのが無難な感想でしょうね。プロ野球界参入騒動ではそこそこ名前が売れましたけれど、(世間的にはカタカナ名前が好評だったものの)やはり内容無しのイメージ先行でした。
まあそれはともかくとして、例の規約騒動についてまだ曖昧な部分が少なからずあるようですが、利用者が注意すべき点として良い教訓を残してくれました。
私の正直な感想としては、やはりライブドアはじめそのような曖昧な規約を設定する所は利用したくないし、いまだにトラックバックもコメントもしたくないし、勝手で悪いですがそこを利用している方からのトラックバックも出来ればお断りしたいなあ、と。
いえ、トラックバックとかコメントにまで制限を掛けるような規約が果たして有功かどうかは別として、やっぱり気持ち悪いですもん。
しかし、Blogサービスの中には、利用規約の中に「サービス会社に対してユーザーは、著作者人格権をいっさい行使してはならない」という文言を入れているものがある。しかも、この文言を入れているのはひとつのBlogサービスではなく、複数のBlogサービスだ。あらためて理解しておかなければならない事は、利用規約に同意する旨のクリックが、実はハンコ押すのと同じ意味なんですね。 ライブドア以外のサービスでも、この騒動を受けて利用規約の見直しを行っている所が多いようです。 それにしても利用者側からすれば、相手を信頼してハンコ押したのに!って印象がありますし、外部から行われているトラックバックやコメントする側からすれば、そんなインターネットの常識を無視するような規約勝手にもうけないでくれよ、って所なワケですわね。
こういった話は企業側が早く適切に対処しないと、インターネット上のサービス全般の信用問題に発展しかねないですよ。
blogなどのサービスでしたら同様の商品に複数の選択肢があるから、イヤになったら乗り替えが出来ますのでまだ良いですけれど、限られた店舗(ネットショップ)でしか販売されていない商品とか、OSやアプリケーションだとそうも行かない場合がありますよね。
特にネットショッピングなんてのにはジワジワ響きかねないですから。
利用者側は常に一方的な条件を提示されて、それに従うか、イヤなら利用を諦めるか。
そりゃまあ実際、法的にも売買契約というのは両者の合意によるものであって、対価の支払いと商品の引渡を以て成立するわけですから、販売する側からすれば、嫌なら無理して買ってくれなくてもいいわけです。
でもねえ、そんな風な、大阪の下着屋のオバハンみたいな商売ばかりが罷り通ったら、つまんないでしょ。
ところで実際の話、私だって利用規約なんて言葉の細部までは良く読まない、、、もちろん相手の会社をどこまで信用するか、という事がその前提にあるわけですから、初めてお世話になる会社の場合には可能な限り咀嚼しますけれど、それでもまず信用第一ですものねえ。
検索してみると分かりますが、今回の「著作者人格権不行使特約」に関する多くの(主にblog)サイトが弁護士さんなど専門家の手によるもののようです。
著作者人格権不行使特約に関する新しい裁判例がでていました専門家の方々も実際には「著作者人格権」というものがどのように扱われるのか、その運用を見守っているというのが実体かも知れません。
まだあります。
はてなダイアリー - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」私自身の勉強も兼ねて、ブログサービス提供者の考え方を見てみます(網羅的ではないことを予めお断りしておきます)。
著作者人格権に関するブログサービス提供者の考え方 01:21
ともかく、こちら[絵文録ことのは]の調査は良くまとまっています。
「livedoor Blog 開発日誌:利用規約の一部変更のお知らせ」では「利用者は、弊社及び弊社の指定する者に対し、著作権等(著作者人格権の行使も含む)を行使しないものとします」と改訂され、物議をかもしている。件の会社ばかりでなく他社のサービスについても言及していますので、目を通しておいて損はないです。
でも、つい面倒で詳細までは確認せず、「ぽちっ」とやってしまいがちですよね。
気をつけなくちゃいけないなあ。