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2004年07月20日

現代美人画

  [art]

烏滸がましくも、美術批評などをする気があるわけでも何でもないけれど、、、
鶴田一郎が結構好きだったりする。

 正しくは「鶴田一郎の描く美人画」が好きなのだが。

かつてノエビアのCMなどで相当な露出があった一連の作品群は、たとえ鶴田一郎の名を知らなくとも、一度はその作品をTVなどで目にしたことがあるはず。
(相当若い方なら別かも、、、)

I.T WORKS CO,.LTD.ってのがあるから、その気になれば通販で買えちゃう。
余裕が出来たらオリジナルプリントを買おうと思うのだけれど、今買える物では欲しいものがない。

1990の'Lady of Linpa'にて独自のスタイルを確立し、'魅惑のミューズ'(1991)や'Shadow Elegance'(1991)がひとつの完成形であるような気がする。
有名な'Excellent Red'(1998)も好きだけれど、悪く言えば1991の頃の作品の精度を上げた「だけ」のような物とも言えるかも。
いやもちろん、'魅惑のミューズ'と並んで大好きな作品ですが、ゆっくりじっくり眺めてみても、1991から1998まで、あまり変わっていない。

もう既にひとつのスタイルが出来てしまっているから、変わらない事が悪いことではない。
ただ最近の作品には、どうしても(シリーズ)初期の優雅さのようなものが見えない。
それは「美人」の顔立ちや色遣い、或いは線の太さ細やかさなどではなく、総合的な「空間」の広がりが感じられなくなってきている事のせいかも。
何て言うんだろうか、画面構成とかとは違う、絵の持つ力の広がりとか、画面上ではない背後にある空間とか、、、ともすれば時間の流れをを超えて存在する生命力みたいなのもが、以前の作品からは伝わってくるのに、最近のシリーズにはそれがないような気がする。
もちろん、全ての実物(オリジナル作品)を見ているわけではないから偉そうなことは言えないけれど、(Angelシリーズみたいな系統の違う作品群ならともかく、、、)ルネサンスシリーズなどに代表される一連の作品の、力が落ちているような気がするのは思い過ごしでしょうか。。。

'魅惑のミューズ'や'Excellent Red'が再版になれば買ってみたいですよ。
 (結構 本気だったり)

コメント (4)

とんがりやま:

鶴田さんの絵を観るとき、私はどうしてもノエビアシリーズのアート・ディレクターだった故・亀倉雄策さんの「影響力」を考えてしまいます。
まあ、それはそれとして、オリジナルリトグラフは私もいちどじっくりと眺めてみたいものです。

あや、もう亀倉氏の名前が出てしまいました、、、
ノエビアのシリーズが1987からと言うことで、その辺りの変化を見ても、まさに「影響力」でしょうね。

しかし、ここで亀倉雄策氏の名前が出るとはさすがでございます。
これからオリンピックのポスターやNikon Fネタに引っ張る予定なんですが・・・(^_^;)

とんがりやま:

おっとっと。「前フリ」でしたか。それは失礼しましたです。
絵を飾る生活ってのにも憧れますが、その前に壁面にスペースが欲しいです(笑)。

とんがりやまさん、毎度どうもです。
・・・あの「前フリ」なんて書かれると、この後どんなすごいことを書けばいいのか、、、プレッシャーに弱い私。

家の中を見渡しても"壁"って無いですよね。
「絵を飾るに相応しい"壁"」なんて更に無いです。
「近寄りがたい」というか、「近寄れない"壁"」ならあちこちに・・・これはこれでまたヒトネタ出来る元だったりして。

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2004年07月20日 23:47に投稿されたエントリーのページです。

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